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Takeru Hara
Japanese photographer
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- オレ流写真論 (4) -散歩撮影のススメ

写真と一言で言っても、風景、人物、花、飛行機、電車…数限りない被写体があります。この中で近年静かなブームになっている、日常の何気ない1コマを切り出すスナップ…特にカメラをぶら下げ散歩しながら撮る「お散歩写真」について取り上げてみます。

◎ストレスの発散

僕の写真も、基本お散歩写真です。被写体は街角スナップではないですが、基本姿勢はそれを撮っている他の方々と近いと思います。

好きな時に好きな様に撮れる事がお散歩写真の利点です。

さあ撮るぞ!と身構えるワケでもなく、いいものに出逢えたらラッキー!くらいの気軽さは、慣れると楽です。

もし、いいものに出逢えなかったとしても、散歩をしたという事で心も身体も健康になります。

というと何か年寄り向けの話かな?と思うかもしれませんが、出来れば若い世代の方に経験して貰いたいのが、この散歩撮影です。

◎機材に追われるストレス

誰もが魅力的に感じる被写体に出逢えた時、このサイトを読んでいる方ならばカメラさえ持っていれば写真を撮る事と思います。もし上手く撮れなかった時は、他の人の撮った写真を見ていろいろと研究する人も多いかと思います。

「ああ撮れば良かったのか…。」

「あのカメラなら綺麗に撮れるのか…。」

「あのレンズならこんな風に写るのか…。」

三度の飯よりカメラという方は、すぐに機材を買えば済む事なのかもしれませんが、それでも頻繁に買い替える事は多くの人にとって、なかなか難しい事と思います。

揚げ句の果てに

「あのレンズさえあれば、もっといい写真が撮れる…。」

「あいつの写真は機材頼みだ…。」

どこかでこう思ってしまっては、気持ちよく撮影出来ませんし、やっかむ自分に苦しみます。

下手をすると写真に対する興味さえも失ってしまいかねません。

・新しい機材が手に入った時の気持ちと、さらに新しい機材が発表された時の気持ち。

・それと先ほどのヒガミにも似た感情を持ってしまっていたら、その時の気持ち。

これらを一度良く考えてみて、自分にとって本当に欲しい必要なものは何かを考えてみると、気持ちよく「写真」にハマる事が出来るかもしれません。

◎被写体の刺激

「お散歩写真」は一般的に人の目を引くような凄い写真は少なく、ある意味地味な写真です。

それもそのはず、人の目を引くような写真は「見た事がない…」が基本にあるからです。

まだ見た事のない風景。

めったに見られない夕焼け。

周りにはいない様な人々…。

これらは見る側にとっても「強い刺激」として映ります。

対して「お散歩写真」は多くの人が普段「目に入っている」普通の景色。何も目新しくない日常だったりします。

この目新しさの少なさをカバーする為に、「お散歩写真」はトイカメラで撮るなど、写真として普通とは少し違う感じを出しているものが多いかと思いますが、肝心の被写体はどうでしょう?「お散歩写真」といえども、被写体に何かしらの面白さは必要です。ただ、撮る側としては、この「面白さ」を追求しすぎては逆に撮れなくなってしまいます。自分の中にも「強い刺激」は残っており、それに匹敵する又はそれ以上の被写体を探していては、なかなか巡り合わないからです。

最初、せっかく「?」と感じる事が出来たのに、撮ろうとしてるうちに頭で考え始め、シャッターが切れなくなる…そんな経験はありませんか?多分無意識にでも、意識的にでも何かと比較してしまっているのだろうと思います。それらと比較して、「やっぱりツマラナイや…」となっているのではないでしょうか?でもそれは本当にツマラナイものでしょうか?

刺激が少ないだけではないのでしょうか?

大味激辛の食べ物と日本食…日本食は美味しくないものですか?

アクション、CGバリバリの映画とストーリー重視の映画…ストーリー重視の映画はツマラナイ映画ですか?

◎まずは撮る!

せっかく自分の心が「お?」と思ったのですから、ためらう必要はありません。

まずは撮ってみて下さい。

その上で、表現する為の「絞り」や「シャッタースピード」「レンズ」などのテクニックが必要ならば、構える前に決めてしまいましょう。ファインダーを覗いているうちに、どんどんと頭で余計な事を考え始め、撮らなくなってしまう事もありますから。

自分で制約を付けてみるのもいいかもしれません。

今日はレンズは35mmで絞りはf8だけとか、「P」しか使わないとか。明日は28mmでとか。余計な事を考えずに済みます。

高機能のカメラだからといって、全ての機能を使いきらなくても何も問題はありません。

慣れてきて直感的にその違いが分かるようになってきたら変えてみればいいと思うので、それまでは全ての絞りや焦点距離などを試さなくてもいいと思います。

〜「散歩撮影」をする事で、seeではなくlookでしか気づかない発見とワクワクが沢山あります。

それらは、写真ってこういうものだ、カメラってこういうものだ、楽しいってこういうものだ、幸せってこういうものだ…といった既成概念も変えてくれるかもしれません。

大きい刺激ばかりに慣れすぎて、繊細な事に気付きにくくなっている今の世の中だからこそ、気取らない「散歩撮影」を勧めます。

— 10.07.14
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